AMEK 9098CLを解析その2



前回に続き9098CLを解析していきたいと思います。
実は前回の測定は方法が間違っていたようですので改めてf特からやり直したいと思います。

測定方法は負荷として9098CLの入出力にオーディオインターフェースを繋いでいます。オーディオインターフェースは測定に使っているわけではなく負荷としてのみ使用しているわけですが、9098CLでf特を測定するとローが上がっていました。

Shinya's StudioではCarnhillのアウトプットトランスに端子を付けたトランスボックスを販売していますがそちらを試しに測定してみるとこちらもローが上がっている。。。試しに測定器のみのスルーでもローが上がっていたので(笑)オーディオインターフェースの出力側を外してみるとフラットになりました。つまり被測定機材の出力側だけ負荷をかけた状態で測定するのが正解でした。

というわけで今回はまた長くなるので測定のみに徹していきます。

まずはf特と位相です。ある程度校正はしていますが今回はスルーも同時に撮っています。黄色がスルー、青が9098CLの測定結果です。

9098CL-Phase_201701141311383fc.png 
驚くほどフラットですね(笑)失礼しました。赤のカーソルはフラット部分から1dB落ちたところを指しています。83kHzです!黄色のスルーも1MHzで1,8dBほど落ちているので本当はもうちょっといいかもしれません。

つづいてf特とTHDです。THDは付属ソフトで測れないので別ソフトになります。スクリプトを書けばできるみたいなのですがやりかたがわかりません。わざわざMacでWindows経由でやっています。
9098CL-THD_20170114131141ac4.png 
こちらも測定方法の変更でかなり改善していますが2kHzあたりから少し歪みが多くなっています。まだ測定方法をやらかしているのかもしれません、、、とはいってもかなり低いほうですが。ちなみに200〜1kHzの0.02%くらいは測定器の限界っぽいです。もうすこし突っ込めば限界も改善するかもしれません。

次は500Hzの矩形波で応答速度を見ます。知らなかったのですが9098CLは電源を切るとハードウェアバイパスになるようです。入出力端子付近にリレーが入っています。手元に回路図どころか資料すらないのでマニュアルには書かれているのかもしれません。

というわけでハードウェアバイバスの結果を。黄色が測定器の入出力を直結。
9098CL-Bypass.png 
青がハードウェアバイパスです。ほぼ同じです。測定の誤差の範囲かと思います。

つづいて電源を入れて入出力間の測定。コンプもリミッターも入っていません。
9098CL-InOut.png 
5uSecほどなまっています。

試しにオーディオ入力、サイドチェーンの出力間を見てみます。
9098CL-SCSend.png
こちらはアウトプットトランスがない影響でなまりも約半分くらいでしょうか。

参考のためにShinya's Studio製Carnhillのトランスボックスです。
VTB2281-TransBox.png
600ohmの1;1トランス1つしか入っていませんがなまりは10uSecくらいになっています(笑)9098CLの優秀さがわかります。

というわけで失態により再測定となってしまいましたがこんな感じです。まだまだ測定器の使用方法など試行錯誤中なので変更となるかもしれませんが9098CLについてはこれで以上です。

実は機材を貸していただいた方のためにも失態を最小限にとどめるためにも今後解析系、知識系はWebstoreの会員、または機材を貸していただいた方限定公開としようと思っています。もちろん無料です。確実にShadowhills Mono GamaとRND 542はやります。

AMEK 9098CLを解析その1



最近新しく測定器を買った影響でいろいろ解析したい衝動に駆られておりましてSNSで皆様のお持ちの機材を送っていただくよう募集させていただきました。あまり期待もせずに地道に中古やジャンクを買っては研究していこうと思っていましたがなんとAMEK 9098CLを送っていただけることになりました。本当にありがとうございます!

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©SweetWaterさんから拝借

さてAMEKについてですがレコーディング界では有名なブランドの「NEVE」を作ったNEVEさんの会社です。調べてみると80年代に作ったforcusriteを離れて90年代にAMEKをつくったようです。9098はAMEKのコンソールですがそのコンプとリミッターをラック化したのが9098CL(正式名称ではないようです)。

まず測定をする前に音やかかり具合をチェックしてみます。9098CLはかなり昔に使ったことがあったのですがもう印象とか忘れてしまっています。測定を先にしてしまうと先入観が入ってしまいます。でも測定後に特性が分かって聞くのも勉強になります。

音の感じは、家のヘッドホンでチェックしたので皆さんの印象と違うかもしれませんが割とフラット。かかり具合もすごく綺麗で優秀にかかります。内部回路はSSL BusCompと同じTHATのVCAでコンプレッションされているようですがSSLよりは綺麗な印象です。回路図がないのでなんとも言えませんが中を開けてみるとVCAは各ch2つずつ使用されています。SSLは大抵8パラか4パラなのでここが分かれ目なのでしょうか。またVCAの制御もSSLとは違いデジタルのCPUが組まれており高級感があります。

VCAというのはVoltage Controlled Amplifierというやつで電圧でアンプを制御します。コンプの他にはよくあるのは卓のフェーダーですね。卓だとVCA通ると音が悪くなるとかなんとかで悪者にされることもあります(笑)あとはアナログシンセですよね。電気やっている人はシンセか無線からほぼ入ると思っていますが僕はシンセ派です。アナログシンセはVCなんとかというのが多くて電圧でオシレーターとかアンプとかを制御します。VCO、VCF、VCA。。。VCOは基本垂れ流しなので鍵盤押したらアンプが開いて音が出るみたいな感じです。

入出力はトランスですが太くなるような印象はなく(ヘッドホンが死んでいるのかも、、、)フラットな印象です。ナチュラルにかけたいソースにはいいと思います。もちろんアタック、リリースを早くしてレシオをMAXにすれば強めにかけられますが歪んだりすることはないようです。

内部は入出力トランスですがどちらも磁性体でシールドされています。向かって右側には大きめの電源用トロイダルトランスがありますがこちらも2重に磁性体でシールドされているようです(分解していないので分かりません)。試しにノイズを見てみましたがハムどころかホワイトノイズすらほぼ皆無。普段1176で慣れていると特性の良さに驚きます(笑)平滑コンデンサは両電源で1個ずつ。最近の機材はパラる傾向にありますが昔の機材は大きいのが1個というのが多いです。入出力のバッファはディスクリートのオペアンプみたいなものが見えます。APIのような四角いタイプではなくGMLとかAVALONみたいな基板タイプです。出力トランスの前には大きめのトランジスタが2つずつ実装されているのでプッシュプルだと思います。

さて特性ですが長くなりそうなので何回かに分けようと思います。今回は周波数特性(f特)、歪率、位相です。
追記:測定の仕方が間違っていたようなので改めて測定して記事を書きます。グラフも変更になります。

まずはf特と位相です。サイン波をスイープして測定しています。出力は1kHzで+2dBu程度、負荷は5kΩくらいです(オーディオインターフェースのマイク入力につなげました)。
実線がf特、点線が位相です。f特の上は50kHzくらいまで綺麗に伸びています。意外にローが上がっていて20Hzで4dBほど上がっています。測定ミスかもしれませんが50Hzで1,5dB程度なので許容範囲だと思います。
9098CL-phase.png 

次にTHDです。実線はそのまま、点線がTHDです。THDの説明などこちらで何度も出てきているものは割愛します。20Hz以下はさすがにぶっちぎっていますが全体的に低歪みです。
9098CL-THD.png

とりあえず今回は長くなったのでこの辺にしておきます。優秀なコンプなので2MIXとかピアノとかにいいと思います。どうしたいかによりますが、、、コンプで音の印象をあまり変えずに叩くのにいいのかなと思います。

ちなみにShinya's Studioとしてはあまり中を見られたくないので分解しないようにお願いしていますがNeve氏の設計となると話は別です(笑)かなり有名な名機ですので公表しても問題ないと勝手に解釈しています。

またShinya's Studioでは他にも機材の解析を行いたいと思っています。ビンテージ機材を中心にやっていきたいですが輸送に気を使います。現状の希望は1073,EQP-1,V72,1176のいろいろなリビジョンなどなど、、、ご協力いただける方は是非ご連絡ください。


Hi-Res vs 測定器



年末に購入した測定器の使い方が徐々にわかってきたので波形を出力しつつオシロで見てみました。
今回購入した測定器のいいところはMac(PC)に対応していることで単体の測定器と比べて画像を直ぐに保存できます。他にもいいことは沢山あります。

さて今回はハイレゾ(Hi-Res)vs測定器ということで矩形波を両者から出力してオシロで違いをチェックしてみます。
ちなみに測定器のサンプルレートは100M/sです。測定器では100Mサンプル/sというらしいのですがレコーディングでスタンダードな上限の192kHz/sの500倍です。

矩形波というのは四角くなっている波形で倍音は奇数次倍音のみを含みます。具体的な周波数成分は下のような画像になります(測定器では横軸をリニアで見るので対数表示だと低い周波数が荒くなっています)。矩形波は倍音を多く含むので測定にはよく使います。
20170109-1.png 

方形波ともいいますが聞こえがあれです、、、笑
今回チェックに使うのは5kHzの矩形波です。なぜ5kHzなのかというと違いを分かりやすくするためです。5kHzは普通に可聴帯域ですが奇数次倍音となるとサンプルレート48kHz/sでは15kHzしかありません。

20170109-2.png 
上の画像がオシロスコープでチェックした波形です。
黄色の波形が測定器出力、青色が48kHz/sのオーディオインターフェース出力です。
どちらも5kHzの矩形波です。本来矩形波出力は四角になっていないといけませんが48kHz/sでは倍音が15kHzしかいないためかなり雑になっています。測定器出力はほぼ理想に近い四角なのでアナログにほぼ近いと言えます。

20170109-3.png 
続いて96kHz/sです。
同じく黄色の矩形波が測定器出力、青色が96kHz/sのオーディオインターフェース出力です。
96kHz/s出力に含まれる倍音は15k,25k,35k,45kHzまで増えました。48kHz/sの時に比べて測定器出力に近づきました。

20170109-4.png 
最後に192kHz/sです。
黄色の矩形波が測定器出力、青色が192kHz/sのオーディオインターフェース出力です。
192kHz/s出力に含まれる倍音は5k,15k,25,35k,45k,55k,65k,75k,85k,95kHzまで増えました。
かなり測定器(四角)に近づきました。

今回はこれで以上ですがいかがでしょうか。
ハイレゾは帯域幅をよく言われますが可聴帯域でもかなり差が出ます。
理想的には矩形波の倍音は無限に伸びていないといけないので192kHz/sでもまだ遠いといえば遠いです。

今回は5kHzでしたがもっと上の10kHz、20kHzだともっと顕著になります。20kHzで48kHz/sだと倍音はいなくなります。逆にもっと下の1kHz、500Hz、100Hzになると含まれる倍音が増えるため48kHz/sでも四角に近づきます。

というわけで今後も測定器についても触れていこうと思います。

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