ファンタム出力は何ボルト?



2日続けてブログ更新です!

さて今回はファンタム電源についてです。
突然ですが問題です。
ファンタム電源をオンにするとマイク入力コネクタからは何ボルト出力されると思ってる?












35億(ボルト)。
嘘です。。。

48Vと思った方は残念。
規格として12Vや24Vもあるよと思った方はひねくれています!(笑)

そして答えはもっとひねくれます。
ファンタム電源を出力するマイクプリなどの機材内部イメージを描いてみました。
イメージはファンタム電源部分のみです。実際はアンプの前にDCをカットするコンデンサやトランスが入っています。
48V.png
イメージのようにマイクプリの内部ではファンタム電源(+48V前提)とHOT/COLD間に6.8kの抵抗が直列で入っています。この電源はコンデンサーマイク等へ送られマイクのアンプで消費されますが、例えば1mA消費する場合オームの法則により抵抗(6800Ω) x 電流(0.001A)=電圧(6.8V)が抵抗により電圧降下が起こります。つまり41.2V出力されます。

ということは最大で約7mAずつしか取り出すことができず、マイクなどの消費電流によって出力される電圧が変わってくるというのが答えです。

48Vってコンセント100Vの約半分で怖くない?と思われがちですが例えばホットとグランドがショートしてしまった場合、6.8kの両端に48Vがかかるだけです。電流は約7mA、約0.34Wです。これ以上はたとえ手で触ってしまっても流れません(コンセントはダメです(笑))。ちなみにコンセントの100VはRMS値でピークはごにょごにょ、、、

実際マイクやDIの消費電流は2~5mA程度が多いようです。合計10mA取り出すと14Vまで下がってしまいます。逆に6.8kの両端の電位差を測れば消費電流が分かりますね。

ファンタム(おばけ)電源というのは電流によってはいなくなってしまうということだろうと思います(本当かどうかは知りません(笑))
以上ファンタム電源の雑学でしたー。


ベースを正しくラインで録音する方法



今回はベースを正しくラインで録音する方法です。レコーディングエンジニア的というよりは機材設計者的な話になります。そして「ベースを正しくラインで録音する方法」と書きましたがパッシブ楽器をラインで録音するコツという感じで裏技でもなんでもないです。

bass 

まずパッシブ楽器の伝送の条件というのは録音環境の中で割と最悪な状況にあります(笑)その理由が、、、
1、出力インピーダンスが高い
2、出力レベルが極端に低い
3、アンバランス接続
だいたいこの3つです。

1の出力インピーダンスですがパッシブのベース、エレキなんかはかなり出力インピーダンスが大きいため次に受けるDIなどは入力インピーダンスを大きくしないといけません(1MΩ以上)。1MΩは1,000,000Ωです。次の入力インピーダンスが小さい場合はボリュームを形成し出力を極端に絞ったような形になってしまいます。

入力インピーダンスが大きいと、周りの大小あるインピーダンスのノイズなんかも受けやすくなります。

2の出力レベルについてですがパッシブ楽器はレベルが極端に低いのでこの後ろで数十dB(100〜10,000倍程度)増幅することになります。前述のノイズを少しでも含んでいるとこのノイズも数十dB増幅されます。

3のアンバランスですがバランス接続だと伝送時に乗った同相ノイズを打ち消すことができますがアンバランスだとノイズが最後まで乗ったままになります。

似たような環境でパッシブのマイク(ダイナミックやリボンなど)がありますがマイクはレベルが低いだけで出力インピーダンスは割と低め、出力も大体バランスです。

この対極にある伝送がスピーカーケーブルです。スピーカーの受けは4〜16Ωとかがほとんどですよね。レベルについても電圧、電流共にすでに増幅された状態、アンバランス接続ですがノイズが乗ることがまずなく乗っても分かりづらいです(ノイズが乗る例もありますが、、、)。

ということで上の3つをいち早く解消するためにできるだけパッシブ楽器出力のケーブルを短くすることがポイントです。シールドにこだわっておられる方も多いかと思いますが具体的には(パッシブ楽器)ー(DIなど)間のシールドはできるだけ短くしましょう。ライン録音だけじゃなくアンプから出す場合でも同じです。アンプからスピーカーまでのスピーカーケーブルはいくら引き回してもOKです(笑)。

music_guitar_amp.png guitar_effector.png

エフェクターをつなぐ場合ですが、エフェクターは出力インピーダンスが少し下がるのと、出力レベルが少し上がるくらいです。エフェクターはパッシブ楽器用に入力インピーダンスを高くしてあるのでエフェクター間といえどエフェクターの前はかならず短いケーブルにしてください。
いらないエフェクターを外すというのはご存知かと思いますが、「これなんで繋いでるんだっけ?」「なくても分からないかも」みたいなのもあるかもしれません(笑)

DIもインピーダンスを下げるのとバランスにするくらいでレベルはほぼ変わりません。一番いいのは電気的にのみ見るとDIつきHAをベース周辺に置く、プレーヤーに背負わせる、楽器に半田付けしてライン出力レベルでインターフェースまで引き回すことですが現実的ではありません、、、(笑)それに似たのがアクティブの楽器ですね。

そして後ろで増幅すればするほど前に乗ったノイズも増幅されます。ベースやギターにボリュームがついている場合は特にこだわりがなければMAXで、エフェクターをつなぐ場合も出力はフルテンでセッティングしましょう(笑)アンプの歪み具合とかあると思いますが、、、

というわけでまとめです。
1、ケーブルはなるべく短く。長くなる場合はできるだけ増幅後、後ろの接続を長くする。
2、ボリュームはできるだけ前であげる。
です。

music_shield_cable.png 

これでノイズに悩まれている方はかなり減ると思います。音もケーブルを変えるより変わると思いますよ。長文にお付き合いいただきましてありがとうございました。質問とかあればご連絡ください。

トランスボックスはいかがですか〜。



今日はトランスボックスについてです。
Shinya's Studioではトランスボックスを販売しております。
TransboxF.jpg 

このトランスボックスはCarnhillの600Ωトランスを使用して製作していますがただ入れただけではありません。

まずトランスボックスを通すと音がかわりますが、トランスで音が変わってるんでしょ?と思われる方もいるかもしれません。これは半分正解で半分不正解です。

トランス(Transformer)は日本語だと変圧器。電圧、インピーダンスなどを変換します。入力と出力にコイルが入っていて入出力は絶縁されていますが電磁誘導により交流は通過します。ただこの電磁誘導により若干なまりが発生し周波数特性やレスポンス、フェイズが変化します。

上記内容はみなさんが理解されているであろう内容です。

さらにトランスボックスを使用することでトランス自体以外でも音が変化します。
たとえば出力が600Ωトランスで構成されているNeve1073やEQP1,LA2/3などの機材。これらは600Ωで受けることを想定されている場合があります。最近は電子バランス入力が増えてきましたので次の機材の入力インピーダンスは10kとか20kとかになってきます。

600Ωで出力されたものを600Ωで受けるというのはインピーダンスマッチングといいますがトランスの場合はマッチングができていないと想定外の特性になる場合があります。
具体的には10kΩ等、600Ωより軽い負荷で受けてしまうと出力トランスの周波数特性などが暴れてハイが上がることがあります。歪率は負荷が軽くなったことで改善されますがその結果スッキリした音になる場合があります。

そこで600Ωトランスボックスを入れてあげると想定された周波数特性にできます。歪率は10kの時よりは悪化するかもしれませんが適切な歪率になります。600Ω以上重い負荷をかけると故障の原因になりますのでオススメしません。

Shinya's Studioのトランスボックスはアウトを適切にターミネーションしていますので次が600Ωの機材でも10kの機材でも問題ありません。トランスボックスを通ることでHot,Coldはグランドと浮いていますのでアンバラでの使用はできません。ケーブルのみによるアンバラ-バランス変換もダメです。

レコーディングにHA,EQ,COMPなど機材を沢山使用される場合はどこに入れるかで音が変わる場合があります。これはトランスボックスではなく前段の機材で変わっている証拠です。是非入れる場所を変えて楽しんでみてください。

ちなみにトランス出力の機材のHot,Cold間に620Ω程度の抵抗を入れてもマッチングできますが、抵抗とトランス(インダクタ)では効果は全く違います。

ランチボックスシリーズでChストリップを作りませんか。



今回は最近話題のランチボックスシリーズでChストリップを作ろうというお話。
しかも今回は1Uラックで絞っていきます。
ちなみにChストリップというのはコンソールの1ch分、HA,EQ,DYNを抜き出したものになります。
大抵はSSLならSSLのHA,EQ,DYN、NeveならNeveのということになりますがランチボックスシリーズはそれぞれをチョイスできます。
ちなみにShinya's Studioでは過去に
◯Neve系マイクトランス、JohnHardyのディスクリートオペアンプを使用したHA
◯1073系のEQ、SSLのHPF
◯1U76のコンプ
を持った1U ChStripを製作し現在のラインナップにもあります。
http://store.shinya-s-studio.com/ca3/73/p-r-s/
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Shinya's Studioではまだ1Uでランチボックスのケースなどは製作していませんので今回既存のメーカー品も含めて検討してみようかと思います。

まずはケースです。ランチボックスというとユニットを縦型にし、横に並べるのが一般的ですが横型にして1Uにラックマウントできるものもあります。

その中でも3Slot入るのはRadialでしょうか。HA,EQ,DYNと分けるなら3Slot欲しいですよね。

他にも2SlotであればA-Design AudioやEmpirical Labsなども出ています。

***HA***
次にHAですが定番のSSL,Neve,APIはこちらでしょうか。
SSL VHD Pre
http://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/203706/

Neve,API
 

Shinya's StudioはHAとEQがついたモデルを出しています。これなら1U 2SlotでもChストリップが組めます。
http://store.shinya-s-studio.com/ca3/32/p-r3-s/
500 HA EQ-LED 

Neve

Shinya's Studioではランチボックス版の76やオプトコンプ、バスコンプなども出しています。
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というわけでリズム録りなどでもそうですが歌録りなどでHAはNeve系、EQはSSL系、コンプは76系などこだわってみてはいかがでしょうか。Neve系はRNDやBAEなどもありますね。

他のメーカーさんは分かりませんがShinya's Studioでは横にした特注も可能です。是非ご相談ください。

ランチボックスのネジについて



久しぶりにブログを更新します。
今回はランチボックスのネジについてです。

Shinya's Studioではおかげさまでランチボックス用ユニットのラインナップが充実してきました。

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Opto Comp, 76, EQP-Nutubeなど。お問い合わせ、ご相談いただいて商品化になったものが多いです。オリジナルの1176は2Uで1ch、1U76は2Uで2ch、VPR76は3Uで11chまでいけます!!(笑)

Shinya's Studioではこのユニットをお買い上げ時に固定用のネジを同梱しています。
ただ、このネジ、ケースによって種類が異なる場合があります。ランチボックスを開発した本家のAPIはアメリカの企業ですのでネジの規格は#4-40というインチサイズになります。

こちらのサイズをミリでいうと約2,8mm径で1インチに40山ネジ切ってあります。Shinya's Studioのランチボックスもこの#4-40で製作していますのでおつけするネジはこのタイプとなりますが、一部アジア系の企業などはM3というミリネジが使用されているようです。

ちなみにノイトリックさんはXLRのレセプタクル固定用ネジにM2.9というネジを採用されています。ノイトリックさんはリヒテンシュタインという国の企業ですがM2.9というのはDINというドイツの規格のようです。またネジ自体はある企業の独自のものらしく2.9mmの丸ではなくおにぎり型のネジのようです。ちなみにJISのM3でも問題ないようです。Neutrikの「k」がヨーロッパな感じを出していますよね(笑)アメリカだとrickまたはricでしょうか。

もしユニットをお買い上げの方でミリネジ採用のランチボックスをお持ちの方はミリネジ希望とお伝え下さい。不要の場合も同様にご連絡ください。

現行のJIS M3にはプラス穴の近くにエクボがあります。