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4000Eと4000GのEQの違い[完結編]



かなり前に4000Eと4000GのEQの違いについて軽く触れたのですが覚えていらっしゃるでしょうか?
私は忘れました(笑)

今日はその違いの完結編です。

まず大きく分けて違いは2つあります。
1つ目はゲインの上がり方
2つ目はベル、x3÷3の有無です

1つ目
ゲインの上がり方ですが
4000Eはカーブ(Q)固定でゲインが上がって行きます。
つまりゲインを上げるにつれて影響する周波数が広くなります。たけのこが出て来るみたいな感じでしょうかね?(笑)
4000E.gif 

それに対して4000Gは"山のスソ"固定でゲインが上がって行きます。
つまりゲインを上げるにつれてQが鋭くなります。テントを立てるみたいな感じ?(笑)
4000G.gif 

Neve1073のEQは4000Gの様なスソ固定タイプ、Pultec EQP1は4000Eの様なQ固定タイプの様です。

2つ目
ベル、x3÷3の有無ですが
4000のEQは4バンドとなっており上からHF、HMF、LMF、LFとなっています。
基本的にHMF、LMFはピーキング、HF、LFはシェルビングですが4000EはHF、LFにあるBELLボタンを押すことでHF、LFをピーキングにすることができます。Qは固定です(正確には内部で調整可能です)

4000GにはこのBELLボタンはついていませんがHMF、LMFの周波数をx3、÷3ボタンでHF、LF帯域まで拡張することができます。これによりHF、LFのピーキングとして使うことができます。

これはどちらがいいというわけではありません。どちらにもメリットがあります。
4000Eの場合は例えばLMFのEQを残しつつLF帯域にピーキングのEQをかけることが可能です。

4000Gの場合はLMFを下ろすことによってLF帯域のピーキングのEQをかけつつQも可変することが可能です。さらにLFでシェルビングであげつつ、LMFを下ろしてLF帯域の一部を削るということもできます。

まとめ
というわけで2つの違いにより使い分けてください。
4000EQはこちらから
http://store.shinya-s-studio.com/ca4/31/p-r-s/
4000EQ 

Shinya's StudioのTransboxで音が変わる理由!



こんにちは。

最近新しくなったShinya's StudioのTransboxをご存知でしょうか!
http://store.shinya-s-studio.com/ca8/19/p-r-s/
Transbox_2nd_F.png 

Shinya's StudioのTransboxにはNeveでおなじみのCarnhillトランスを使用したトランスが入っています。もちろんトランスを入れただけではありません!

今日はそんなShinya's StudioのTransboxで音が変わる理由を解説して行きます!
ちなみに音の比較は前回の記事をご覧ください。
http://blog.shinya-s-studio.com/blog-entry-930.html

実はTransboxは数年前から販売していましたが1u76など1U機材をメインにしていたため、Transboxは宣伝などあまり力を入れていませんでした。

最近になってTransboxにさける時間が出てきましてあらたにロットを変えました。

今回はなるべく専門的で難しい話を抜きにして3つの理由からわかりやすく解説して行きたいと思います。

理由その1:トランスで音がなまる

なまると書くとあまり良くないように感じるかもしれません。

最近はトランスレスの機材が増えてきました。トランスレスのマイク、マイクプリ、EQ、COMP。
さらに昔はレコーダーはテープでしたがDAWになってなまる要素はかなり減ってきました。

トランスの仕組みは入力と出力で物理的に繋がっておらず「電磁誘導」という仕組みで間接的に音が伝わっていきます。抵抗、コンデンサ、オペアンプなど数ある電子部品の中で間接的に伝わるのはトランスのみです。

理想的には音はなまらずにマイクで拾ったまま録音し再生されることが望ましいですが、人間の耳はアタックの強い成分をそのまま聞いてしまうと「痛い」とか「低音がない」と感じてしまいます。
適度になまらせることで耳なじみのいい音に変えることができます。

音がなまるとどうなるかというと、時間つまり位相がごくわずかにずれます。波長は周波数が高いほど短くなりますので特に高域が落ち着いた印象をうけやすいです。

理由その2:トランスで歪む

こちらも理由その1とほぼ同じですがトランスを通ることで適度に歪みが生じます。
ギターのエフェクターのようなオーバードライブとかディストーションほどの歪みではないので歪んだという認識は受けないと思いますが、測定器で見るとトランス特有の歪みを見ることができます。そこが音に違いが出る理由です。

歪みと聞くとギラッとするかなと思われるかもしれませんが、プラグインと違ってアナログの機材/部品は周波数によって歪み方、歪み量が違います。

トランスは一般的には特に低域になるほど歪みが増えます。さらにエフェクターのような歪み方とは異なるのでギラっとした歪みを感じさせずに低域になるにつれ倍音が増える傾向にあります。

是非Transboxへの入力の量を変えて歪み方の違いを楽しんでみてください。(くれぐれも過大入力にはご注意ください)

理由その3:前後の機材の動作が変わる

Shinya's StudioのTransboxは昔の機材で一般的だった600ohmのトランスを採用しています。

入出力のインピーダンスが600オームというのが一般的だったNeve 1073やUrei 1176、さらにその前のFairchild670、Telefunken V72などは後ろに600オームの機材が来ることを想定して設計されている場合が多いです。

そこに現代の電子バランスのような負荷が軽い機材をつなぐと機材の理想的には負荷が軽くていいのですが、想定と違った動作を起こし本来の音が出ていないことがあります。

1073や1176などにも使われているトランスは基本的に負荷によって音が変わる部品です。負荷が軽すぎると特に高域が暴れることがあります。

Shinya's StudioのTransboxは負荷が重すぎず、軽すぎず昔の機材と同じ600オームの負荷を与えることができTransboxにつなぐ前後の機材をより当時の環境で再現することができます。

Transboxを使うとトランスで音が変わると思われると思いますが、実際には前後の機材の動作が変わり音が変わっていることも大きな要因です。

考察

他にももちろんトランスにより周波数特性が変化することもありますが上記3つの理由が大きいです。

またオプションでトランスの特性を利用したトーン回路もつけることができます。こちらはギターのトーンのようなエフェクト要素が強いですが、状況により便利に使っていただけると思います。

トランスを通したくない場合は外せばいいだけなので非常に便利です。
バイパス機能など余分な回路はつけませんので通さない場合はすこし面倒ですが物理的に接続を外してください。

かなり専門的な用語、解説などを省きましたが難しかったでしょうか?(笑)
詳しく知りたい方はDMをください。

今回は音が変わる理由でしたが、また使い方も書きたいと思います。

Shinya's Studioのtransboxを是非チェックしてみてください!

Transbox比較音源



Transboxの新ロットが完成しました!

Transbox_2nd_F.png 
NeveでおなじみイギリスのCarnhill製のトランスを使用しています。
トランスを使っていない機材の前後に入れてトランス感を出すことができます。

比較音源も作りました!リンクをWebstoreにそのまま貼りたかったのですが表示がうまくいかないのでのこちらからリンクします。
インサーションロスは負荷によって約0〜3dBありますが、今回は比較用にBypassとの音量差がゼロになるようにレベルを調整しています。

新ロットから600オームトランス受けでない機材用に600オームターミネーションスイッチもつけました。
今回はI/Oの行って来いなのでスイッチはオンにしています。





是非よろしくお願いします!

1176 Rev.Dを修理しました。



こんにちは。2日前にブログを書いたばかりですがまた書きます。やる気がありますね!(笑)

Shinya's StudioはSNSを数年前からやっていますが、最近リアルで知り合いのエンジニアさんと繋がって1176の修理を依頼されました。よく私がアシスタント時代にお世話になった方です。
当方の1U76ではないです。それもちょっと特殊でpurple audioのものとureiのいわゆるrev.Dというビンテージものの合計2台です。

せっかくなので一緒に写真を撮りました!
IMG_4277.png 

上から
Shinya's Studio EQP-Nutube(出荷前)
Shinya's Studio 1U76(在庫品)
Shinya's Studio 1U76 ChStrip(出荷前)
Universal Audio 1176(現行品、研究用私物)
Purple audio MC76
Urei 1176 rev.D
です。

パープルはプラグイン(bomb factory)でしか見たことない方も多いのではないでしょうか?
protoolsを使われていない方はそれすらないかも?

purpleのmc76は基本的にrev.dと同じですがサードパーティ製で今76のコピーが流行っていますがそれの走りかと思います。

修理の依頼内容は
mc76は正しく動作しない、
1176rev.dは動作しているっぽいけどメーターが動かない。
という感じ。

さてみなさんはどっちが重症だと思いますか?(笑)

実はrev.dが重症なんです、、、
mc76は内部調整だけで終わったのでレポートは割愛します。

rev.Dはメーターが壊れていました、、メーター自体を分解したり測定したり色々調べましたがダメでした。
試しにsifamのメーターに変えるとしっかり動作します。が物理的にいろいろ問題があるのでこれは使えません。
しかもこの元のメーターmodutecというメーカーで手に入れるには少し厄介。日本のいろいろなところに聞きましたがどこも在庫を抱えておらずアメリカはLAから輸入しました(有名なリペアパーツ屋さんです)。そのお値段送料のみで6000円、本体はsifamの5倍!!まだ作っていると思いますが、新品は見当たらず、いわゆるNOSというものを手に入れました。

それでは修理過程をざっくり公開しましょう。特別だぞ!?(笑)

まず故障しているメーター(左)と届いたメーター(右)です。
IMG_2979_20180916133908bc9.jpg 

メーターは全く同じですがパネルのロゴが現行のUAになっています。ureiに付ける場合は元から取って変えてくれとのこと。
IMG_2980_2018091613390942b.jpg 

メーターのベゼルを慎重に開けてパネルを外します。パネルは金属製(多分アルミ)でした。sifamはプラです。
IMG_2982_20180916133911f11.jpg 

そして元の壊れたVUからパネルを取り外し新しいVUに取り付けます。
若干パネルのサイズが違ったので加工しました。
IMG_2987_20180916133911f7e.jpg 

1176から壊れたメーターを外した状態。
IMG_2978_20180916133907d77.jpg 

新しいVUメーターにランプを固定するためのブラケットなどを移植し、76にはめます。
IMG_2990_20180916133913204.jpg 

ランプは最初つかなかったので切れているのかと思いきや入ってすらなかったです(笑)
なので新しいランプを取り付けました。
IMG_2991_20180916133914c9e.jpg IMG_2993_20180916133916839.jpg

無事に光ってメーターも0まできています。
IMG_2995_20180916133918be2.jpg 

あとは内部の再調整、測定器でいろいろな箇所を測定し問題がないことをチェックして終わりです。
個人的にf特や歪率なども気になるのでいろいろ測定して自分用に資料を作りました(笑)

基本的に他社製品の修理は受け付けていませんが、知り合い限定、できそうなもの限定でやっています。76系は何十台と作ってきたのでさすがにできます。目をつぶって逆立ちしても小指でできm(ry
部品の入手には苦労しますが、、、

有名スタジオの機材だったものですが内部回路は色々改造されていてメンテの方の思想が見えて面白かったです。

シルバーとか他のリビジョンもまた機会があればブログ書きたいですね。

Shinya's Studioの76たちも是非。
http://store.shinya-s-studio.com/?ca=2

1176ブラック系のランプの交換方法はこちらの記事

mouse works復活?



今回は機材と違ってトラックボールのお話です。今回もニッチな話になります(笑)

Mouse works

mouse worksというソフトをご存知でしょうか?レコーディング業界標準、みんな大好きケンジントンのトラックボール用の設定ソフトでした!過去形なのは今はtrackball worksというものに変わっています。たしかMAC OSの10,8くらいで変わったかと?

私が使っているケンジントンのトラックボールはこのタイプです。

今安いですね、、、買った当時は15,000円はしていたかと、、、

Trackball worksとの違い

普段、Protoolsでたまに複雑な複数のショートカットを1つのボタンで実行したい衝動に駆られます。例えば編集画面で「下、ペースト、上、tab」というようなこと。
これは主にドラムトラックの差し替えの時に使用します。
参考にするトラックを用意しておき、差し替えるための空トラックをその下に。
あらかじめコピーしておいた素材を貼り付けて参考トラックに戻り次の波形まで行くというものです。これでクリックするたびに素材が貼られていきます(笑)。

ご存知の方もおられると思いますが、昔は上記の内容が「mouse works」でできていました。ところが「trackball works」というソフトに変わってできなくなってしまいました。そこでいろいろ探していてようやくKarabinerというソフトで出来ることがわかりました。今回は自分のためにもその方法をここに書いておこうと思います。当方環境がMacなのでMacでの解説となります。

Mouse works復活まで

さて、まずTrackball worksでボタンの設定をします。
設定したいボタンを分かりやすく変更します。
スクリーンショット 2018-08-24-1 

ここではあまり使わない左上のボタンを参考に「ボタン4」へ変更しました。
「ボタン4」は「追加」→「マウスとキーボード」の中にあります。

次に「Karabiner」というアプリをインストールします。
最新のver12では仕様が変わったようでやり方がわからないためver10.22.0を使います。
(ご存知の方は教えて下さい。mac os 10.12 sierraでは動きました。)
https://pqrs.org/osx/karabiner/

インストールが終わったら「Karabiner」を開いて設定をします。
開くと「Misc & Uninstall」というタブの中に「Open private.xml」というボタンがあるのでクリックします。

するとFinderに「private.xml」が出てきますのでテキストエディットとかのアプリで開きます。
最初は以下のようになっているかと思います。

<?xml version="1.0"?>
<root>
</root>

そこにとりあえず下記のようにコピペして下さい(笑)。

<?xml version="1.0"?>
<root>
  <item>
    <name>Change button4 to the past</name>
    <identifier>remap.button4_to_p</identifier>
    <autogen>
      __KeyToKey__ 
      PointingButton::BUTTON4, 
      KeyCode::SEMICOLON, KeyCode::V, KeyCode::P, KeyCode::TAB,
    </autogen>
  </item>
</root>

name欄は分かりやすければなんでもいいです。
意味は「ボタン4」を「;」「V」「P」「TAB」へ変えるぞ!ということなので必要に応じて適宜変えて下さい。これでprivate.xmlを保存して閉じる。

そしてKarabinerアプリのChange keyタブのReload XMLをクリックすると
「Change button 4 to the past」が出てくるのでこれをチェック。これで完了です。

使ってみる

お待たせしました。さてこれでprotoolsで使って見ましょう。
コマンドは「下」「ペースト」「上」「タブ(次へ)」なので適当にスネアトラックとその下に貼り付けるための空トラックを用意して、クリップボードには貼り付けたいオーディオをコピーしておきます。

あとは最初にカーソルを貼りたい波形の頭に持ってきてポチポチすると高速で貼られていきます(笑)
たまにゴーストノートとかキックのカブリで引っかかるのでTabで飛ばして下さい。
20180824blog.gif 

最後に

以上でmouse works復活です!あまりプログラミング系は詳しく無いのでもっと簡単にできる方法や最新のkarabinerでできる方法がありましたらおしらせください。

今回はスネアを差し替えるコマンドでしたが、スネアを貼るのはプラグインでもできますので他のコマンドにも流用して見て下さい。

トラックボールは昔4つボタン以外にもさらに6つボタンがついたものがありました。


protoolsにまだプレイリストを表chへコピーする機能がない頃、私がアシでmouse worksだった頃、これを駆使して高速でテイク切り替えておられるエンジニアさんがいらっしゃいました(笑)
やり方はテイク1から6まで並べて置いて
ボタン1に「下、コピー、上、ペースト」
ボタン2に「下、下、コピー、上、上、ペースト」
という具合(笑)初めて見たときは衝撃でした。

これをprotools以外でやってしまうとバグるので(笑)trackball worksの設定は全てのアプリケーションではなくprotoolsのみにしておくか使うときだけ設定する方がいいと思います。

他にも便利なコマンドはいろいろあると思いますので是非試して見て下さい。
簡単な「command + =」などはtrackball worksのみでできます。